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今夜、あなたの猫になる

今夜、あなたの猫になる【14】《R-18》

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「ふふっ……お前は熱いな」

 鍛え上げられた筋肉質の胸や腹に飛び散った精液を、指先にすくった庄領は、ハアハアと息を喘がせる大貴の前で、それを舐め取った。

「……やめろ……頭、おかしいんじゃないのか?」

 初心な童貞の頃のような気恥ずかしさを感じ、大貴は罵った。
 男は口の端をつり上げると、もう一度白濁を絡みつけ、その指先を大貴の唇に押しつけた。

「口を開けろ。お前が出したモノだ」

 その淫猥な命令に狼狽した大貴は、羞恥で全身が熱くなるのを感じたが、挑むような眼差しで口を開いた。
 ねっとりとした白精を舌先に感じると、思わず眉根を寄せてしまう。
 だが、敏感な上顎を指の腹でなぞられた瞬間、再び大貴のペニスは勃起した。

「……んんっ…うふぅ…ッ……ううっ……」

 口の中を犯される快感と、昂ぶった雄を刺激される快感が体内で乱れ、呆気なく欲情をぶちまけてしまう。
 情けないことに、庄領の剛直はまだ一度も達することなく、ドクドクと熱い脈動を伝えてきていた。
 ぐたったりとしていると、庄領が体勢を入れ替え、大貴をベッドに組み敷いた。
 抵抗しようにも、脱力して腰に力が入らず、どうしようもなかった。

「大貴……私を試してみろ。お前も、もっと気持ちよくなりたいだろう?」

 堂々とした男の躰に付着した白濁が、妖しくぬらりと光りながら伝い落ちてゆく。
 淫靡なその様にぞくりとして、大貴は赤らめた顔を背けた。

「……ちくしょぅ……もう、勝手にしろよ!」

 恥ずかしすぎて、まともに目を合わせることすらできない。
 視線から逃れるように躰をよじると、庄領が背後から大貴を抱きすくめた。

「私はお前を抱きたい。何もしなくていいが、逃げるなよ」

 耳朶に唇が押しつけられ、釘を刺される。
 いつから「君」が「お前」に変わっていたのか判らなかったが、その声に猛々しい雄の獣欲を感じ、大貴は息を止めていた。

(……毒を食らわば……皿までって言うけど!)

 庄領の躰が背中に押しつけられた途端、ぬるりとした感触が肌の上を滑り、大貴はぎゅっと瞼を閉ざしていた。
 ここまで恥ずかしい目に遭ったのだから、男を試してみるのも人生経験だと、大貴は必死で自分に言い聞かせた。
 庄領が言っていた通り、嫌だったら、止めればいいのだ。
 だが、全身を愛撫され、丹念に口付けられると、その官能の深さに怖じ気づいた。
 別れた彼女と抱き合っていた時は、理性が侵蝕されるような不安は感じなかったのだ。
 うつ伏せにされたまま、剥き出しになった双臀を割り開かれると、さすがに緊張が走る。

「……やっ…やめてくれっ……やっぱ、無理ッ! 無理だからッ!!」

 以前、嶺村から借りたAVを観ていたため、男同士がどうやって躰を繋げるのかは理解している。
 だが、庄領の太く長い肉棒が、自分の尻の穴に侵入するのだと思った途端、全身から血の気が引いた。

「逃げるなと言ったはずだ。
 アナルセックスは始めてなんだろう?
 力を抜いていないと、肛門が裂けるぞ」

 露骨な脅しに震え上がった大貴は、萎えかけた前方を扱かれると、双丘を震わせた。
 先走りのぬめりを人差し指に絡めた庄領は、ヒクヒクと収縮する後孔に指先を押し当て、つぷりと内部に押し込んでゆく。

「うああっ……指、入れるな…ッ!」

「大げさだな。まだ半分だけだ」

 くくっと嘲笑うように喉を鳴らし、庄領は侵入させた指を小刻みに揺らしながら、大貴のペニスを同時に嬲った。

「ああっ……はっ……あううぅ…ッ──動かさないで……」

 呼吸するようにヒクつく秘蕾を指で穿った庄領は、根元まで沈めてしまうと、精液と汗でぬらつく大貴の背中に舌を這わ始めた。

「はあっ…あっ……んっ…ううっ……」

 節ばった長い指をあらぬ場所に感じながら、大貴は快感がざわざわと広がってゆくのを止められなかった。
 いつの間にか指は二本に増やされ、緩やかに抜き挿ししながら後蕾が開かれる。
 前後する律動だけでなく、左右に開かれ、円を描くようにえぐられると、大貴はシーツを掻きむしりながら呻いた。

「そそる顔だ。お前をむちゃくちゃにしたい」

 欲情に濡れた声で囁かれると、大貴はびくんと震え、髪を振り乱していた。
 どのくらい弄られていたのか判らなかったが、刺激に緩んだ肛門から危うい疼きが滲み出し、ペニスを触れられなくとも快感が弾ける。
 時間をかけて蕩かされた秘蕾に左右の親指がめり込み、わずかに綻んだ小さな口に庄領の舌が差し入れられると、大貴は腰を跳ね上げ、ひきつれた叫びを上げていた。

「…ひああっ……や、やめろっ……そんなとこ……舐めるな…ぁっ……」

 尻を突き出した格好のまま、排泄器官でしかない場所を舐められる恥辱──驚愕と嫌悪、そして紛れもない快感が入り混ざり、大貴は惑乱した。
 腰を左右に揺すり、庄領の舌から逃げようとしたが、押さえ込まれ、そのまま爛れた快感に翻弄され続けた。

「ああっ…はあぁっ……んっ……」

 敏感な粘膜を舌先で刺激されると、拒絶の悲鳴が、艶めいた喘ぎに変わった。
 指でえぐられ、その隙間に舌が深々とねじ込まれると、ペニスの先からダラダラと先走りが溢れ、快感をごまかせなくなる。
 わずかに口を開いた後蕾に潤滑ローションがたっぷりと注ぎ込まれ、長い指で掻き乱されると、いつしか双臀を高々と突き上げ、自らの手で昂ぶった屹立を慰めていた大貴は、刺激の一つ一つに反応しながら、絶頂を極めていた。

「……はぅ……ああぁっ……アアァッ!」

 がくがくと総身を痙攣させ、三度目となる白精を放った大貴は、どっぷりと甘美な愉悦に浸りながら息を喘がせていた。
 塗れ光るほどに汗ばみ、艶やかに色づいた大貴の躰に、庄領は自身の肉体を重ねると、いきりたった剛直を、柔らかく蕩けた後孔に押し当てた。
 ぬめる切っ先がわずかにもぐり込むと、虚脱していた大貴は愕然として振り返り、切羽詰まった叫びを上げた。

「……む、無理だっ……でかくすぎて…裂けるっ!」

 じわじわと貫かれ始めると、大貴は喉を反り返らせて悲鳴を放った。

「ヒイイッ…ひぐぅぅっ……や、止めっ……」
「くっ……さすがに、きついな。思い切り息むんだ、大貴」

 苦しげな庄領の言葉に、大貴はシーツにしがみついたまま頭を振った。
 すると庄領の手が、快楽を与えるように大貴のペニスを優しく愛撫し、苦痛から意識をそらさせる。
 ふっと力が抜けた瞬間、二人はさらに深くまで繋がっていた。

「……馴染むまで、しばらくこのままでいよう」

 大貴の耳元で喘ぐような溜息をついた庄領は、脂汗でぬらつく褐色の躰を撫で回し、熱っぽく囁いた。
 躰の芯を穿たれていた大貴は、苦痛と快感の狭間で呻きながら、ドクドクと脈動する庄領の剛直を咥え込んでいることに放心していた。

(あんなにでかいのが……俺の中に入ってる)

 限界まで引き延ばされた後肛がヒクつくと、庄領の大きさや硬さ、その熱を嫌というほど感じさせられた。

「大貴……お前の中は熱くて、溶けてしまいそうだ」

 官能的な声で囁かれると、背筋に甘い電流が走る。

「うあぁっ……庄領…さんっ……まだっ……動くなっ」

 緩やかに揺すられると、火花のように痛みと快感が弾け、大貴はシーツを掻きむしった。

「千晴だ……私の名前を、呼んでごらん」

 ペニスを扱かれながら揺さぶられると、大貴はいやいやするように髪を振り乱した。

「……いやっ…だっ……俺は……ッ」
「こんなにしっかり繋がっているのに、今さら嫌はないだろう?」

 くすくすと笑いながら、庄領はゆっくりと腰を退くと、ことさら時間をかけて、奥深くまで男根を埋め込んだ。

「うぅっ……や、やめてくれっ……千晴…さんッ」

 存在を知らしめるような動きに悲鳴し、大貴が名前を叫ぶと、庄領は沈黙したまま、ゆっくりとした抽送を繰り返した。

「ひいいっ……あっ、ああっ……千晴…ッ」

 必死で首をねじり、大貴は許しを請うように名前を呼んだ。
 その苦悶の表情の中に淫らな艶が浮かび上がると、庄領は凄みのある笑みを浮かべた。

「──そう、それでいい」

 ひどく優しい、残酷な響きの声で囁き、庄領はぐっと上体を屈すると、大貴の顔を引き寄せてキスを落とした。
 抑制された律動で、大貴の快感を鮮やかに引き出しながら、男は少しずつスムーズになってゆく交合を楽しんでいるようだった。
 やがて、庄領の欲望が弾け、灼熱の奔流が敏感になった粘膜を叩くと、初めての肛悦に翻弄された大貴は、発情した獣のようによがり狂った。

「……くああぁっ…あっ、ああっ──またっ……腹の中に……は、入ってくる…ッ」

 ほとんど同時に自分も射精し、歓を極める。
 力強い腕に抱き締められた大貴は、魔性の愉楽に呑み込まれるまま、いまだ鎮まらぬ庄領の欲望におののき、身を震わせていた。



 気がついた時、ベッドの隣に庄領の姿は無かった。
 全身に襲いかかる、鉛を詰め込まれたような躰のだるさに呻きながら、大貴は寝返りを打とうとした。

「……うあぁっ!」

 その途端、臀部に走った違和感に、大貴は思わず上擦った声を上げてしまった。
 何度、射精したか判らない。
 どれほどの時間、庄領と繋がっていたのかも覚えていない。
 途中からあられもない嬌声を上げ続け、男の動きに合わせて腰を振っていた。
 嶺村からもらったAVよりも浅ましい、自分とは思えないような淫らなよがり声で、散々恥ずかしい言葉を言わされていた。

──とにかく、骨の髄までしゃぶりつくされるような、そんな恐ろしいセックスをしてしまったのだ。

「……ちくしょう……嘘だろ?」

 フラッシュバックする卑猥な光景に思わず呻いていたが、その声もかすれきっていた。

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